「漫画の絵とイラストの絵って、何が違うの?」
「絵が上手ければ漫画も上手くなるの?」
そんな疑問を持つあなたに、漫画の中の“絵”の役割と、本当に必要なスキルについて丁寧に解説します。
この記事では、イラストとの決定的な違いや、漫画ならではの描き方、絵が上達するための練習法まで、初心者にもわかりやすく紹介しています。
読めば、漫画の絵に求められる本当の力が見えてきますよ。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
漫画の絵とは何か?イラストとの決定的な違い5選
絵が担う「物語を伝える」役割
漫画の絵は、単なるビジュアルじゃありません。
絵そのものが「ストーリーを語る手段」として機能しています。
例えば、キャラクターの表情や仕草だけで、セリフがなくても読者に感情が伝わる場面ってありますよね。
それって、絵が物語を担っている証拠なんです。
つまり漫画の絵は、文章やセリフと同じくらい「物語の要素」として重要なんですよ〜。
時間と感情の流れを表現する構図
漫画では、時間の流れを絵で表現しないといけません。
イラストは1枚絵で完結しますが、漫画は「コマをまたいだ感情の流れ」や「動きの連続」を描く必要があります。
そのためには、構図の工夫がめちゃくちゃ大事です。
視線の流れを誘導したり、アクションの前後を意識したコマ割りで、読者の頭の中で映像を再生させるように描いていきます。
ここが、漫画ならではの絵の奥深さなんですよね。
セリフ・コマ割りとの連携で生まれる意味
漫画の絵は、セリフやナレーション、そしてコマの大きさや配置と「連携」して初めて完成します。
例えば、同じ表情でも、小さなコマで描けば控えめな印象に、大きなコマでどーんと描けば衝撃的な印象になります。
つまり、絵単体で完結するのではなく、「全体の演出」として活かされるのが漫画の絵なんです。
だからこそ、コマの配置、セリフの位置、絵の密度まで気を配る必要があるんですね。
これがイラストとの大きな違いでもあります。
1枚で完結するイラストとの根本的な違い
イラストは、基本的に「1枚で世界観を表現する絵」です。
だから構図や塗り、ライティングなど、見た目のインパクトが超重要になります。
でも漫画は「連続したコマの中で、流れと感情を伝えること」が求められます。
つまり、絵の一枚一枚に“爆発的なインパクト”はなくても、「つながり」や「リズム」があることが大事なんですね。
見せ場を引き立てるために、あえて地味な絵も描く。それが漫画の世界なんですよ〜。
読者の視線誘導を設計する必要性
漫画の絵では、読者の目線をどこからどこに動かすか、完全に「設計」する必要があります。
左から右、上から下という視線の流れを意識して、セリフや絵を配置していくことで、読者が迷わず読める構成になります。
逆にこれができていないと、どれだけ絵が上手でも「読みづらい漫画」になってしまうんです。
これはイラストではあまり意識されない部分で、漫画ならではの技術とも言えますね。
この視線誘導の設計こそが、漫画家の力量の差が出るポイントだったりします!
絵が上手い=良い漫画?プロが語る真実
画力が高くても伝わらない作品はある
意外かもしれませんが、「絵がめちゃくちゃ上手いのに売れない漫画」って結構あるんです。
パッと見て「うわ、絵うますぎ!」ってなるけど、読んでるうちに「何が起きてるのか分からない…」って感じる作品、ありませんか?
そうなんです、絵がうまいだけじゃ読者には届かないことが多いんですよ。
読者が求めてるのは「かっこいいイラスト」じゃなくて、「気持ちが動かされる物語」なんですよね。
そこに気づけると、漫画の絵に何が本当に必要なのか見えてきますよ~。
読者に刺さるのは「伝わる絵」
「上手い絵」と「伝わる絵」、この違いってめちゃくちゃ大事です。
たとえば、キャラが泣いてるシーン。
涙の光の反射とか瞳の描き込みがリアルでも、「その子がなぜ泣いてるのか」が伝わらなかったら意味ないんです。
むしろ、シンプルな線でグシャっと顔をゆがめただけでも、その感情がダイレクトに伝われば、読者は心を動かされます。
つまり、感情や状況が読者にストレートに伝わる「伝える力」が、漫画の絵には必要なんです。
デッサン力より「表現力」が大事
よく「漫画を描くならデッサン力が必要」って言われますよね。
もちろん基本としてのデッサン力は大事なんですが、それ以上に大事なのは「伝える表現力」なんです。
手がちょっと変な角度でも、背景がちょっと雑でも、キャラの表情や構図が刺されば、読者の心には響きます。
逆に、完璧なデッサンでも、感情が見えなかったら「きれいなだけの絵」で終わっちゃうんです。
だから、表現力を磨くことのほうが、漫画を描く上ではよっぽど大切ですよ〜!
ストーリーとのバランスが最重要
最終的に漫画として評価されるのは、絵とストーリーの「バランス」です。
どんなに絵が上手くても、話が面白くなければ読者はついてきません。
逆に、話が面白ければ、多少絵が粗くても読まれるんです。
だから、漫画家を目指すなら「絵の技術」と同じくらい「ストーリーを構成する力」や「演出力」を育てることが大切。
結局、読者の心を動かすのは「総合力」なんですよね。ここ、めっちゃ大事なポイントです!
漫画の絵に求められる5つの要素とは?
キャラの表情で感情を伝える力
漫画の絵で最も重要なのが、キャラクターの「表情」です。
喜怒哀楽をしっかりと描き分けることで、読者はキャラの気持ちに共感できるようになります。
特に、漫画ではセリフよりも表情で語る場面が多いんです。
たとえば、無言で泣いてるコマや、怒りで震えてる横顔など、「目」や「眉」だけで気持ちが伝わる表現ってありますよね。
こういう表情のニュアンスを描けるようになると、一気に漫画力が上がりますよ~!
動きとポーズで“躍動感”を出す技術
次に大事なのが、キャラの動きとポーズの描き方です。
静止画の中で「動いて見える」絵を描くって、なかなか奥が深いんですよ。
走る、飛ぶ、殴るなど、アクションシーンではポーズのキレが命です。
逆に、日常のワンシーンでも、自然な体の傾きや手の動きでキャラの「らしさ」が出るんですよね。
動きがカタい漫画は、読んでいてのめり込めません。なので、日頃からポーズの研究をしておくと良いですよ!
背景やトーンで世界観を作る力
漫画の「絵」の中には、キャラだけじゃなく「背景」も超重要なパートです。
背景があることで、物語の舞台や空気感がグッとリアルになります。
学校、都会、田舎、異世界――それぞれの空間の描き込み方で、読者の没入感がまるで変わります。
さらにトーンの使い方で、季節感や時間帯、感情まで表現できるんですよ。
だから、背景やトーンにも「意味」を込めて描くようにすると、作品のレベルがワンランク上がります!
視線誘導とコマ構成のセンス
漫画は「読ませ方」が命です。
絵そのものがどんなに上手でも、視線の流れがぐちゃぐちゃだと読者は混乱してしまいます。
だからこそ、コマ割りや構図で「自然に読める」ように設計することが必要です。
たとえば、縦長のコマで緊張感を演出したり、横長のコマで広がりを出したり。
読者の視線をどう動かすかを考えながら描くと、格段に読みやすくなりますよ〜!
読者が“引き込まれる絵”の空気感
最後のポイントは、「空気感」のある絵を描けるかどうか。
これは技術的な話だけじゃなくて、どれだけ世界観に没入させられるかっていう“感性”の部分です。
たとえば、光の描き方ひとつで柔らかい空気になったり、逆光でドラマチックな印象を演出できたりします。
表情や背景、トーン、セリフ、すべてが一体となって空気を作るんです。
こういう“空気感”を出せるようになると、読者を一瞬で作品世界に引き込むことができますよ〜!
イラストレーターと漫画家の進路の違いとは?
求められる絵の種類が違う
まず一番の違いは、「求められる絵の種類」です。
イラストレーターは基本的に「1枚で完結するビジュアル表現」が中心になります。
一方、漫画家は「物語を絵で進めていく」役割を持つため、連続性・構成力・表現力が求められます。
たとえば、イラストはキャラの魅力を強調して描くことが多いですが、漫画はキャラを“動かしながら”描く必要があるんですね。
だから、どちらを目指すかによって、描くべきスキルの方向性も変わってきますよ〜。
働き方・仕事の流れがまったく違う
次に大きな違いは「働き方」です。
イラストレーターは、依頼を受けて1枚1枚を納品するスタイルが主流です。
SNSやポートフォリオサイトに作品をアップして、企業や個人から仕事をもらう形式が多いですね。
対して、漫画家は雑誌やWEBでの連載、もしくは商業単行本を目指すことが一般的。
編集者と二人三脚でネームから原稿制作までを繰り返す、まさに長期戦の仕事なんです。
クライアントの要望の違い
イラストレーターの仕事は、基本的に「クライアントの要望に沿った絵を描く」ことがメインです。
ゲーム会社や広告代理店など、ビジュアルを必要とする企業からの依頼が多いですね。
そのため、キャラクターデザインや、装画(本の表紙)、グッズ用のデザインなど、用途が多様です。
一方、漫画家は基本的に「自分の作品」を描きます。
編集部とのやりとりはありますが、世界観やストーリーの主体は自分にあるんです。
なので、自分の中に「描きたい世界」があるかどうかが大きなポイントになります。
必要なスキルセットの違い
最後にスキルセットの違いを見ていきましょう。
イラストレーターは、配色センス、ライティング、構図、魅せる技術が超重要。
1枚でキャラの魅力を伝えたり、印象的なビジュアルを描けるかが評価されます。
それに対して漫画家は、キャラの表情、構図、コマ割り、演出力、そして何より“物語を描く力”が必要。
さらに、継続的に作品を描く持久力も求められます。
自分がどんな働き方をしたいかで、向いている道が変わってきますね。
漫画の絵が上達する練習法7選【初心者OK】
プロ漫画を模写してコマ構成を学ぶ
漫画の練習で一番オススメなのが「模写」です。
特にプロの漫画をまるごと模写することで、コマの構成、視線の流れ、キャラの表情、動きの描き方など、自然と学べます。
ここで大事なのは「絵を真似る」だけじゃなく、「なぜこの構図にしたのか?」「なぜここでアップになってるのか?」を考えながら描くこと。
そうすることで、見えなかった技術や演出意図が見えてきます。
ただ模写するより、思考しながら模写するのがレベルアップのコツですよ!
表情とポーズの練習を毎日描く
漫画では、キャラの感情や動きを「絵だけで伝える」必要があります。
だから表情やポーズのバリエーションが超大事なんです!
毎日ちょっとずつ、怒った顔、笑った顔、泣いた顔、驚いた顔を描き分ける練習をしてみてください。
ポーズも同様に、歩く、走る、寝る、座る、戦うなど、いろんなポーズを描くと良いです。
「ポーズマニアックス」や「ダンサーの動画」など、参考資料を見ながら描くとめっちゃ勉強になりますよ〜!
ネームで「伝わる絵」の訓練をする
漫画家志望なら、ネーム(コマ割りとラフ構成)を描く練習は欠かせません。
ネームは、絵の上手さより「伝わるかどうか」が試されます。
実際のプロの現場でも、まずネームを提出してOKが出てから原稿制作に入るのが一般的です。
この段階で読者の視線の流れ、話のテンポ、感情の盛り上がりが伝わっているか?が超重要。
10ページ程度のショートネームから始めて、SNSや同人誌で試していくのがオススメですよ!
アナログ・デジタル両方で描く
最近はデジタル作画が主流ですが、アナログでも描けると絵の基本力がめちゃくちゃ鍛えられます。
アナログでは修正がしにくい分、線を丁寧に引くクセがつきますし、筆圧やタッチのコントロール感覚も身に付きます。
逆にデジタルでは、効率的にトーンやコマ割りができるため、量産する練習に向いてます。
どちらもメリットがあるので、両方のツールを使ってバランスよく練習するのが理想です!
iPad×CLIP STUDIOは、コスパも良くておすすめですよ〜。
読者の目線を意識して構図を組む
読者の視線をどこに導くか、これは漫画では超重要なポイントです。
まずはプロ漫画を読んで、「自分の目がどう動いたか?」を観察することから始めてみましょう。
そのあと、自分のネームで「セリフ→キャラの顔→背景」とスムーズに流れる構図を意識して描いていきます。
これは1コマごとにできる練習なので、4コマ漫画や短編で実践すると効果的です。
視線の動きが自然だと、読者がストレスなく読み進められますよ〜!
人に見せてフィードバックをもらう
絵は「自分の視点」だけじゃなく「他人の視点」で見てもらうことで、圧倒的に成長します。
pixiv、X(旧Twitter)など、作品をアップできる場で公開して反応をもらいましょう。
特に、仲間同士でコメントしあえる環境があると成長速度が跳ね上がります!
また、添削やアドバイスをくれる有料コミュニティもあるので、思い切って飛び込んでみるのも手ですよ。
一人で悩むより、誰かに見てもらうのが近道なんです。
SNSで作品を公開して実践力UP
今はSNSがあれば、どこにいても自分の漫画を発信できます。
とにかく描いたものをアップして、反応をもらいながら「実践の中で成長する」のが超おすすめ。
ファンが付けばモチベーションも上がるし、仕事につながることもあります。
X(旧Twitter)、Instagram、pixiv、TikTokなど、自分に合った媒体を活用して、どんどん出していきましょう!
最初は恥ずかしいかもですが、挑戦した分だけ自信になりますよ〜!
まとめ|漫画の絵に求められる要素を意識して表現しよう
漫画における「絵」は、ただ上手いだけでは足りません。
ストーリーを伝えるための感情表現、構図、動き、視線の導線、空気感――すべてを絵に込める必要があります。
イラストとの違いを理解し、漫画ならではの描き方や考え方を身につけることで、ぐんと表現力がアップします。
今回紹介した練習法を日々の中に取り入れながら、自分の「伝える力」を育てていってくださいね。
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