漫画を読んでいると、必ず目にするのが「ドン!」「ザワザワ…」「キラッ」などの“擬音”たち。
でも、この擬音って、どんな意味があるの?どうやって描いてるの?と思ったことはありませんか?
この記事では、漫画における擬音の役割や魅力、翻訳での工夫、さらには楽しみ方までを徹底解説します!
読めば、あなたの漫画の読み方がちょっと変わるかもしれませんよ。
擬音の世界、一緒にのぞいてみませんか?
漫画の擬音は臨場感を生む最強の演出手法
擬音がないと伝わらないシーンがある
まず、擬音がなかったら絶対に伝わらないシーンって結構あるんですよ。
たとえば、爆発のシーンで「ドカーン!」という音があるだけで、画面の迫力が一気にアップします。
逆に音がなかったら「これは何が起きたの?」ってなる読者も多いと思います。
漫画は音のないメディアなので、視覚情報だけじゃ伝わりづらい場面を、擬音がしっかり補ってくれてるんです。
これは映画やアニメと違って、音声が使えない漫画ならではの表現技術ですね。
擬音っていうのは、いわば「見える音」なんですよ。
描かれたコマの中で“音が鳴る”ことで、読者の脳内に立体的なイメージを作ってくれる役割があります。
特にバトルシーンやアクション、サスペンスでは「効果音=情報」と言ってもいいくらい大事な要素なんですよ~!
感情や雰囲気を一瞬で表現できる
次に、擬音は感情や空気感を「一瞬で」読者に伝える力も持ってます。
例えば「ゴゴゴゴゴ…」って音、ジョジョで有名ですけど、あれが出てきた瞬間、「なんかヤバいことが起きるぞ!」って伝わりますよね。
実際には何もまだ起きてないのに、その「空気」が伝わってくる。それってすごくないですか?
あるいは「ザワ…ザワ…」みたいな音もそう。緊張、不安、ざわめき、焦り。文字じゃ表現しきれない感情を、たったひとつの擬音が描いてくれるんです。
これはまさに、文字と絵の中間にある“音の演出”。
セリフで長々と説明しなくても、「あ、今このキャラ、焦ってるな」とか「この場面、不穏だな」って伝えられる。すごく便利なんですよね~。
キャラの個性も擬音で際立つ
さらに、実は擬音ってキャラの個性づけにも一役買ってるんですよ。
たとえば、「ドゴォ!」と殴るキャラと、「ポカッ」と殴るキャラ。同じアクションでも、受ける印象がまったく違います。
後者の方がコミカルだし、前者はめちゃくちゃハードな印象になりますよね。
作者の中では「このキャラはこの音が似合う」っていう、無意識の設計がされてたりするんです。
この擬音の選び方ひとつで、そのキャラクターの世界観や存在感が引き立つわけです。
漫画って、セリフや表情、ポーズだけじゃなくて、こういう「目立たないけど強力な要素」でもキャラの魅力を構築してるんですね~!
読者の記憶に残るフレーズになる
最後に、擬音は「読者の記憶に残る名フレーズ」になりやすいんですよ!
「ドドドドド」「ゴゴゴゴ」「キュイーン」「ギュルルル」「バシュッ!」って聞くだけで、特定の漫画が頭に浮かぶ人、多いんじゃないでしょうか?
そう、擬音って「作品の象徴」にもなり得るんです。
しかも、SNSで話題になったり、グッズ化されたりもして、読者との距離を縮めるツールにもなってます。
言葉ではなく“音”が記憶に残るというのは、日本語の音感やリズム感とも深く関わっていて、文化的にもとっても面白いんですよ~!
「あの擬音、耳から離れない!」なんて言われる漫画って、実はめちゃくちゃ強いんです。
漫画で使われる代表的な擬音とその意味
擬音といっても、実はジャンルごとにいろんな意味や使われ方があるんですよ~。
「ドン」「バキ」などの打撃音系
一番よく見かけるのが、やっぱりバトル系の「ドン!」「バキッ!」「ズガーン!」みたいな打撃音ですね。
こういう音って、パンチやキック、爆発とか、インパクトの強いアクションを補完してくれる大事な要素です。
例えば「バキ」って音は、骨が折れるようなリアルな痛みを想像させますし、「ドン」は重くて鈍い衝撃を表現してます。
擬音のセレクトひとつで、「この攻撃、どれくらい痛そうか」が読者に直感的に伝わるんですよ。
ちなみに「ドン!」はワンピースでルフィが登場するたびに出てくることで有名で、演出のアイコンになってますよね。
このように、単なる音ではなく「シンボル化」していくのが、漫画擬音のおもしろさなんです。
「ゴゴゴゴ」「ザワ…」などの空気系
次は、雰囲気や緊張感を伝える「空気系擬音」!
「ゴゴゴゴゴ…」はジョジョでよく見かける有名な擬音で、「何かが起こりそうな空気」を演出するために使われます。
実際には何の音もしてないんですが、“空間が鳴ってる”って感じ、分かりますか?
「ザワ…ザワ…」はカイジなどの作品でよく使われていて、登場人物の心理や場の緊張感を強調する効果があります。
これらの擬音って、実際の音ではないけど、読むと「なんとなく分かる」っていう不思議な力があるんですよ。
音がなくても“音が聴こえてくる”感じ、それこそが漫画独特の演出力です。
「キラッ」「ピコーン」などの感情表現系
感情を表現するタイプの擬音も、とっても多用されてます。
たとえば「キラッ」はキャラが可愛く笑ったとき、目が光るようなシーンに使われたりします。
「ピコーン」はアイデアが閃いたとき、「カァァ」は照れたときの頬の赤らみを表現するのによく使われます。
これらの擬音は、キャラの心の動きをより強調して伝えてくれる役割があるんですよね。
読者の感情移入をスムーズにしてくれる、いわば「感情のナビゲーター」的な存在です。
読んでて思わず「このキャラかわいい…!」って思っちゃうのも、擬音の演出力が後押ししてるからかもしれませんよ~!
「ガチャ」「バタン」などの生活音系
日常生活に関係する「生活音系」の擬音も重要です。
「ガチャ(ドアを開ける音)」「バタン(閉まる音)」「チーン(レンジ)」「ゴクゴク(飲み物を飲む)」など、場面転換やリズムをつけるのに欠かせないんです。
こうした音って、実はシンプルに見えて「時間の流れ」や「動きのテンポ」をコントロールしてくれるんですよ。
たとえばシリアスな場面で、急に「バタン!」と誰かがドアを開けるだけで、緊張感が一気に高まります。
逆に、ギャグシーンで「ズルッ」と転ぶ音が入るだけで、読者が思わず笑っちゃうような空気に変わるんですよね。
地味だけど、実はとっても“万能”な擬音なんです。
海外翻訳で漫画の擬音は、どう表現されている?
日本の漫画が海外でどう読まれてるのか、特に“擬音”の扱いって面白いんですよ~。
英語版では訳されずそのままのケースも
実は多くの英語版コミックスでは、擬音が「そのまま日本語のまま」残されていることが多いです。
たとえば「ドン!」や「ギュイーン!」なんて日本語のまんま書かれていて、ローマ字で注釈すらない場合もあります。
これは、擬音が“絵の一部”として認識されているからなんですよね。
漫画の魅力のひとつとして、擬音そのものが「演出の味」になっていて、それを無理に訳してしまうと逆に雰囲気が壊れることも。
だから読者も「これは音を表してるんだな」と受け入れて、なんとなく雰囲気で理解しながら読んでいるんです。
ローカライズによって意味が変わることもある
一方で、作品や出版社によっては、しっかりとローカライズ(その国や地域に合わせた「現地化」を行うこと)されている場合もあります。
たとえば「ザワザワ」が「MURMUR」や「RUSTLE」になることがありますが、完全に同じニュアンスではないんですよね。
「バキッ!」が「CRACK!」、「ズドン!」が「BOOM!」と訳されることもありますが、それも厳密には音の質や勢いが違ったりします。
つまり、翻訳された擬音は、必ずしも“同じ感覚”では伝わらないという難しさがあるんです。
だからこそ、擬音の翻訳ってただの言い換えじゃなく、「どの音がこの場面に最適か?」という感性も求められる仕事なんですね~。
文化的に伝わらない擬音は描き直しもある
時には、元の日本語擬音を完全に消して、英語版の文字に描き直されることもあります。
これを「リドロー(redraw)」って呼ぶんですが、出版社や翻訳チームによっては、この工程をしっかりやってる場合もあります。
なぜなら、日本語の擬音って独特なので、外国の読者にはまったくピンとこないこともあるからです。
たとえば「ニャーン」と「MEOW」では、読み手が受け取る感覚が違いますよね。
だから漫画の「空気」をちゃんと伝えるためには、場合によっては手間をかけて絵を加工する必要もあるんです。
ここまで手が込んでるのか~と、翻訳の世界の奥深さを感じますよね。
翻訳者が工夫する擬音の置き換え術
擬音の翻訳で大事なのは、「直訳」ではなく「感覚の伝達」です。
そのために翻訳者さんたちは、めちゃくちゃ工夫してるんです。
たとえば「チーン」は英語で「DING!」が近いですが、場面によっては「完了音」じゃなく「気まずい沈黙」を表してることもありますよね。
そんなときは、「SILENCE」や「…」に置き換えたり、あえて訳さずに絵で補ったりするテクニックが使われます。
このように、擬音を翻訳するというのは、ただの作業じゃなく“表現の再構築”なんです。
だから翻訳者さんのセンスと柔軟さが、読者の感動を左右する重要な鍵になってるんですよ!
効果的な漫画の擬音の使い方3つのコツ
漫画を描いてる人や、創作に興味がある方は必見!
シーンの音を頭の中でリアルに鳴らす
まず大事なのは、「音を感じながら描く」ってことです。
たとえばパンチのシーンなら、どんな音が聞こえるか、頭の中で鳴らしてみるといいですよ。
ドン!なのか、バキッ!なのか、それともゴスッ?同じ「殴る」でも全然ニュアンスが違います。
大きな爆発なら「ズドン!」が合いそうだし、小さな物音なら「カタン」や「コトッ」って感じかもしれません。
この「脳内再生」ができると、よりリアルで伝わる擬音が使えるようになります!
あと、映画やアニメを観て音を意識するのもすごく勉強になりますよ~。
セリフとのバランスを意識する
擬音を入れすぎると、セリフや絵とケンカしてしまうことがあります。
逆に少なすぎると、動きや感情の伝わり方が弱くなってしまいます。
そこで大事なのが、「セリフ・絵・擬音」のバランス感覚なんですよ。
たとえば、キャラが黙ってるシーンで「ザワ…」と擬音だけが入っていると、不安な空気がより引き立ちます。
逆にセリフが多い場面では、擬音は控えめにしたほうが読みやすいです。
つまり、「このコマの主役は何か?」を意識して、擬音が目立ちすぎないように調整するのがコツですね!
読者の視線の流れを邪魔しないように配置するのもポイントです。
フォント・配置・サイズで感情を操作する
擬音は「何を書くか」だけじゃなく、「どう書くか」も超重要です!
たとえば「ドン!」って書くだけでも、細い文字で書くと軽く見えるし、太字でドーンと書けば衝撃が伝わりますよね?
フォントの選び方、文字の太さ、配置場所、さらには文字の曲げ方や流れ方まで、全部が演出になります。
上から落ちてくるモノに「ドサッ!」って描きたいときは、文字も一緒に“落ちる”ように描いたり。
逆に空気が静まり返る「シーン…」なら、小さくてかすれたフォントを使うとめっちゃ効果的です。
漫画って文字も“絵の一部”なんですよね。だから擬音も立派な演出テクニックのひとつなんです。
ちょっと試しに、自分の好きな漫画を1コマ止めて、擬音のフォントやサイズに注目してみてください。かなり発見ありますよ~!
漫画を楽しむために擬音の面白さを知ろう
擬音の面白さをもっと楽しむためにできることをご紹介します。
読むだけじゃもったいない!
漫画の擬音って、もっと“遊べる”要素なんですよ~。
あえて文字なしで読んでみる
まず一つ目の楽しみ方は、「あえて擬音を消して漫画を読んでみる」という方法です。
えっ、逆に?って思うかもしれませんが、実際やってみると、擬音のありがたさがよ~く分かります。
音が消えると、急に画面が静かになって、読んでる側も「このコマ、なんか物足りないな…」って感じることが多いんですよね。
それだけ、擬音が空気感やテンポを作ってくれていたってことなんです。
ちょっとした実験感覚で、1話だけ擬音を目で追わないようにしてみると、違いがハッキリ見えて面白いですよ!
同じシーンで違う擬音を想像してみる
次はちょっとクリエイティブに、既存の擬音を“別の音に置き換えて”みる遊び方。
たとえば「ドカーン!」って書かれてるシーンに、「ズゴォォォン!」とか「ボゴォッ!」とか、自分なりの擬音を当てはめてみるんです。
これ、めちゃくちゃ楽しいんですよ〜!
音の強さや響き、テンポ感が違うと、同じ場面でも印象がガラッと変わるんです。
しかも、「自分だったらこう描くな〜」っていう創作のヒントにもなるので、漫画を“観る”から“使う”に変える感覚も味わえます!
お気に入りの擬音をコレクションする
そして最後は、推し擬音を集める“コレクション遊び”!
これはただのお遊びですが、地味にハマります(笑)。
「この擬音カッコいい!」「この響きクセになる!」って思ったものをスマホのメモとかにメモっていくんです。
「ドゴォ!」「ギュイーン」「シュー…」「コポコポ」「バァンッ!」などなど、意識し始めると無限に面白い擬音が出てきます。
SNSで「#好きな擬音」とかで検索すると、同じように擬音を楽しんでる人たちがいっぱいいて、「あ~わかる!」ってなること間違いなし!
漫画って読むだけでも楽しいけど、こうやって“ちょっと視点をズラす”だけで、もっともっと深く楽しめるんですよ~!
まとめ|漫画の擬音は“音のない音”で物語を彩る
擬音が果たす4つの役割 |
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擬音がないと伝わらないシーンがある |
感情や雰囲気を一瞬で表現できる |
キャラの個性も擬音で際立つ |
読者の記憶に残るフレーズになる |
漫画に登場する擬音は、ただの音ではありません。
読者の想像力を刺激し、空気や感情までも描き出す“音の演出”です。
翻訳の現場でも工夫され、文化の違いも楽しめる擬音の世界。
今後はぜひ、漫画を読むときに擬音にも注目してみてくださいね。
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